ばらづくりはね、本当にローズマインドそのものです。
能宗 隆・能宗 百合子
2021/12/13
世界中の方々に福山の魅力をお伝えするため、現在、2025年開催の世界バラ会議福山大会の広報PR用動画制作中です。撮影のため福山市新市町の能宗隆さん・百合子さんご夫妻のばら花壇に2021年5月と11月の2度にわたりお邪魔しました。
5月、満開のばらが出迎えてくれました。
現在、およそ350本のばらが植わっているそうです。
Q. 能宗さんのばらづくりのきっかけは何だったのでしょう?
「2003年(平成15年)の平成の大合併で新市町と福山市が合併したことがきっかけです。ばらのまち福山と一緒になるんだったら、ばらを植えてみようと思いましてね。」
ご自宅と店舗のある敷地と道路を挟んで向かい側にある敷地には、ばら庭園が展開されています。アーチやベンチ、敷石も美しく配置されています。
「これ全部手作りです。妻と二人でああでもない、こうでもない、と言いながら石を一つずつ並べてね。」
「福山明るいまちづくり協議会が毎年ばら花壇コンクールをされているのね。地域の団体や、学校、企業などの参加部門があって、最優秀賞を受賞された花壇は「モデルばら花壇」に認定されるんですよ。すると市民のばらづくりのお手本の花壇ということで3年間、認定が継続されるので、今年も2021年度の認定証をいただきました。」
にこやかにほほ笑む能宗さんのばらを見つめるまなざしは温かです。能宗さんのばらづくりは2013年に「モデル花壇」認定を受けて以降、たびたび認定を受けられるなど、地域で高く評価されています。
能宗さんはWEBサイトやFacebookでご自身のばら花壇についても情報発信をしておられます。「能宗呉服店ばら花壇の歴史」というページを拝見すると・・・
能宗呉服店ばら花壇の歴史
2008.7 花壇造成(新苗植付け30本)
2009.6 (新苗植付け30本)
2011.6 (新苗植付け30本)
2012.年度中 (新、大苗植付け25本)鉢植え含む
2013.年度中 (新、大苗植付け25本)鉢植え含む
2013 モデル花壇 認定 2013.5.19
2016 モデル花壇 認定
2019 モデル花壇 認定
Q. 花壇を拝見すると、木材を土のように細かくした堆肥がフカフカに敷かれていますね。
「新市町は、家具で有名な府中市に近いです。箪笥など家具を製造する府中市では木材加工のために端材が出る。これを焼却するのではなく、細かく砕いて発酵させたエコ堆肥を作る会社があって手に入りやすいんです。できるだけ環境に配慮した栽培をしたいと思っていてね。「環境」ということが叫ばれていますが、ばらづくりについても考えていけたらと。」
お庭のベンチには SDGs のバッチをつけたお人形が。
これを作られたのは奥様の百合子さん。
「母の昔の服を着せているんですよ。」
撮影中、道を通行するご近所の方々にお話を伺うと、皆さん嬉しそうにお話されます。
「春になると香りがふわっとして、心が和みますね」
「ばら園を誰でも見られるようにされていて小学生が写生したりしていますね。」
「いつも綺麗に手入れされているんよ。」
そんなお話を能宗さんにすると…
「嬉しいですね、本当にうちがこんなにばらづくりをさせてもらえているのは、ご近所の皆さまの理解があってのことなんです。ばらづくりはね、本当にローズマインドそのものです。思いやり、やさしさ、助け合い、これを日々実感しています。」
「ここは住宅地でもありますから。ばらを栽培するにはどうしても肥料も使うし、病害虫予防もしなければなりません。予防をするということは多少なりとも農薬を使うことになります。環境に配慮して無農薬に挑戦しようと一部で実験しているのですが、これがなかなか難しいんです。なかなか簡単なことじゃないですね。」
「大きくてきれいな花を咲かせるばらが世の中にはたくさんありますね。でもばらは人が定期的に管理することを前提に品種改良されているものも多いです。だからきれいなばらの花を咲かせるにはばらづくりの基本を忠実にやっていくこと、これを徹底してやった基礎がないと。自分は最初に丁寧に教えてくださる人がいたからやれました。基本に忠実にしないといきなりの応用は出来ないんですよ。」
Q. 現在も能宗さんのお庭を外国の方が見に来られることがあるそうですが、海外の方にお伝えしたいことはありますか。
「自宅側の庭は日本庭園なんです。この伝統的な日本の庭とばらの調和をぜひ見ていってほしいなと思っています!」
能宗さんご夫妻が力を合わせたばら花壇は、年間を通じて公開されています。
詳しくは、能宗さんのWEBサイトをご覧ください。
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