講義
- 5月20日(火)「アジアのバラ」
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日本の育種家により育成されたバラ
上田 善弘 博士
世界バラ会議推進プロジェクトマネージャー、ぎふワールド・ローズガーデン理事
日本でのバラの育種は19世紀後半の開国以降に趣味家によって始められ、20世紀半ば以降には東西の電鉄会社傘下の園芸会社により本格的な育種が行われるようになりました。その後、プロとアマチュア双方による育種が活発に行われています。本講義では、日本独特の育種がいかに進められてきたのかを語ります。
開催時間 8:30-9:15 歴史的な日本画に描かれたバラ
白砂 伸夫 博士
環境共生学博士号、倉敷芸術科学大学学長補佐、神戸国際大学教授
歴史的な日本画の解析を通じ、日本人が古くからバラを大切に育て、絵画に描いてきたことを示します。それにより、バラが日本で重要な植物であったことを明らかにします。また、日本画に描かれたバラの歴史的な概観を紹介し、バラが西洋の植物だという先入観を払拭します。
開催時間 9:15‐10:00 日本の野ばら、ノイバラから始まる物語 2 ランブラーローズ
御巫 由紀 博士
千葉県立中央博物館展示課長
日本には16種類の野ばらが自生しており、最初に学名がつけられたのがノイバラです。今回の講義は、ノイバラを起点とするバラの物語の第2話であり、ノイバラから作出されたランブラー系統のバラについて語ります。(第1話はスウェーデン大会で講義済み)
開催時間 10:30-11:15 中国の野生バラとオールドローズ
姜 正之
中国
講師がこれまでに収集してきた中国の珍しい野生バラ(Rosa kwangtungensis、R.anemoniflora、R.chinensis var. spontanea など) について、その分布域や自生地の現状、さらに講師自身の栽培経験を報告する。同様に収集された二倍体古代バラについて、それら位置づけや、果たしてきた役割について詳述する。
開催時間 11:15-12:00 - 5月21日(水)「品種保存」
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未来につながるバラの品種保存
Brigid & Charles Quest-Ritson
イギリス
解明が待たれ、保存されるべきヘリテージローズが、世界中に多く取り残されています。これら貴重なヘリテージローズをいかに保存し、次世代に継承してゆくかは、喫緊の課題です。本講義では、その対応策について議論し、具体的な提案を行います。
開催時間 8:30 - 9:15 Rosa persica交雑種の英国ナショナルコレクション
Daniel Myhill
ロサ・ペルシカ(Rosa persica) の交雑種 英国ナショナルコレクションホルダー イギリス
バラ属の中では唯一、花の芯に赤い目(ブロッチ)をもつ野生種であるRosa persicaを基に育成されてきた一連のペルシカの交雑品種。これらのペルシカ交雑品種の英国ナショナルコレクションホルダー(保持者)である講師が、ペルシカ品種の育種史と、これらの品種を保存することの意義について語ります。
開催時間 9:15 - 10:00 カリフォルニアのバラの歴史
Gregg Lowery
The Friends of Vintage Roses 学会員 アメリカ
カリフォルニアでのバラの歴史について語る本講義では、カリフォルニア先住民によるバラ利用から始まり、ヨーロッパ人による庭園バラの導入やその利用方法、さらにはその後のバラ産業や、生活や庭園におけるバラの役割について概観します。
開催時間 10:30-11:15 スウェーデンにおけるファウンドローズの収集と品種保存
Svein Osen
スウェーデンばら協会会長、ノルディックばら協会会長 スウェーデン
スウェーデンの先進的な植物遺伝資源保存プログラム(POM)におけるバラに関する活動を紹介します。本講義では、アルナープにあるスウェーデン農業科学大学のナショナルジーンバンクにおけるバラ遺伝資源保存活動について、保存コレクションの評価やDNA研究など、今後の活動についても語られます。
開催時間 11:15-12:00 - 5月23日(金)「耐病性」
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ボローニャのバラ新品種試作場とイタリアのバラ
Dr. Maria Eva Giorgioni
ボローニャ大学 農業・食品科学学部准教授 イタリア
講義ではイタリア自生の野生バラから始まり、イタリアのバラ園でのバラ品種の変遷や、代表的なバラ園についても取り上げられます。また、講師が関わっているラファエレ・バッツォッキ・バラ園で開催されているボローニャ大学国際新品種コンテストでの耐病性新品種選抜についても紹介されます。
開催時間 8:30 - 9:15 バラを病気に強くするには ― 品種改良と栽培法との組み合わせ ―
Hayden Foulds
ニュージーランドばら会会長 ニュージーランド
植物の病気は、病原体、病気になりやすい植物、病気を引き起こしやすい環境条件という3つの要素が組み合わさることで引き起こされます。これらのうち、どれかが一つでもかけていれば病気は発生しません。本講義では、耐病性育種によって選ばれた品種を使用することだけでなく、栽培方法の重要性についても強調されます。
開催時間 9:15 - 10:00 耐病性育種:科学的、実用的な視点から
Dr. Thomas Debener
ハノーファー ライプニッツ大学教授 ドイツ
植物の耐病性は、植物が持つ多様な防御機構の違いに由来します。これまでのバラにおける病害抵抗性研究の成果を紹介するとともに、商業的な育種における実際の利用例も取り上げます。また、耐病性品種を選定する手段として、ドイツのADR試験プログラムと、アメリカのEarth-Kindコンテストについても紹介します。
開催時間 10:30-11:15 景観植栽のなかのローズロゼット病とその対策
Dr. David H. Byrne
テキサスA&M大学園芸学名誉教授 アメリカ
アメリカで問題になっているバラのウイルス病、ローズ・ロゼット病の発生と被害状況について報告するとともに、その対策としてどのように対応してきたかを紹介します。具体的には、ローズ・ロゼット病会議の招集、研究、抵抗性バラ育種への分子ツールの開発など、アメリカのバラ業界の対応について述べます。
開催時間 11:15-12:00 - 5月24日(土)「新たな技術」
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バラの香りの系譜と新たな香気成分
大久保 直美 博士
農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門所属
野生バラからオールドローズ、モダンローズまでのバラの香りの特徴とその香気成分構成に基づき、バラの香りの系譜について解説します。また、これまでの香気成分解析によって新たに発見された特異な香気成分について、その研究成果を紹介します。
開催時間 8:00 - 8:45 栽培バラに四季咲き性と八重咲き性をもたらした突然変異の起源
河村 耕史 博士
大阪工業大学准教授
中国のバラに由来する四季咲き性と、複数の起源を持つ八重咲き性について、それぞれどのような遺伝子の突然変異によって生じたのか、その遺伝子解析の結果を解説します。また、講師が行った中国自生の野生バラを用いた研究成果についても報告します。
開催時間 8:45 - 9:30 ロサ・アルウェンシス(Rosa arvensis):30年間に渡る経験・研究成果から
Dr. Pascal Heitzler
植物分子生物学研究所研究責任者 フランス
遺伝子モデル植物としてのヨーロッパ自生のRosa arvensis の有用性について述べるとともに、収集された野生変異体を用いた研究成果や、育種プログラムへの応用を目指したナショナルコレクション設立など、30年にわたる成果を報告します。
開催時間 10:00 - 10:45 - 5月24日(土)育種家によるパネルディスカッション
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テーマ:明日へのバラ
プログラム